二番目の太陽

渚が子供たちの声で溢れている
気持ちの分だけ飛沫が舞い
昼の陽射しが
夕暮れの金色と重なった
その冷たい
水面が纏う要素
笑い声を記憶した唯物のレコーダー
それは、
草色の荒波に伝搬し
海亀の円らな瞳
やがて、
異界の書斎で朝陽に染まる──
老いた詩人の発想となった
男は、
美しい触れあいを願っている
極力人の心から
絶えず世界の初期値から
筆を置き
窓辺の光彩に眼を細めると
それだけでしかない痛みのなかに
渚の輝きを思い描く
子供たちは
膝を抱え浜辺にいた
ずっとはしゃいで
二つの太陽に驚きながらも
その純朴さで見るものを受け入れ
明るい海上にもう一つの太陽――
金色の熱が浮かぶのを眺めている
昼間の明るさと
感嘆と歓声を綯交ぜにならぶ
金の頬
そのなかの一人が振り返ると
浜茄子の叢がりを抜き
入り江から伸びる小径は
彼女の丘に繋がっている
少女は暗いなか洗濯物を抱えている
背中から
木戸を肩で押し開くと
水平線の彼方にはもう一つの太陽があって
昼間の色彩に──
美しく青を敷き詰めたこの海上に
やわらかい金の点滅を散りばめていた
洗い籠を抱えたまま
照らされた戸口に佇んでいると
永遠がそこで
戯れているんだなと
理解できた








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