venus

枯れ葉
灰色の痛みに
葉脈程の
安らぎを触れる

瓦礫の城は
夢さえも
その
血流を止め
堡塁に腰掛ける眼差しは
成層圏を
遠く
すり抜ける

旋律
単音の移ろい
サイクルは
既視感の悪戯

雲も空さえも
灰色で
時間を知らずに
記憶のなか
流れてゆく

胸にはヴィーナス

何時も抱いている

蒼が希望を呉れない日々は
彼女に縋って

鼓動を

慰める





憐憫よりも
確かな手応えで

体温の無い
抱擁を

その距離に
トドメル




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